キャンプ旅に行こう 2006年秋・能登の旅日記です。
ホーム > 旅日記 > 2006年秋・能登の旅

2006年秋 能登の旅

10月7日

午後6時前に自宅を出発する。

能登方面に行くには東名〜東海北陸道経由で行く方法と、長野道〜上信越道〜北陸道経由で行く方法があるのだが、今日は南回り(東名経由)で行く事にする。理由は、天気の関係。日本海側の天気が悪いので、少しでも天気の良い方向から行きたかったのだ。

案の定、東名に出ると天気は快晴。気分良く空波くん(愛車スカイウェイブ650の事。以下同様)を走らせる。

空波くんはスクーターとは言え、排気量がそこそこあるので高速も至って快適。電動スクリーンを一番上に上げると、100km/h程度ならヘルメットのシールドを上げたままでも走れてしまう。

鼻歌気分で東海北陸道に入り、北上。しかし快晴だった空は次第に雲が多くなり、ひるがの高原SAに到着する頃にはポツポツと小雨が降り始める。カッパを着用し荘川ICにて降りるが、この頃にはすっかり本降りになっていた(-_-;)

とりあえず白川郷に寄るが、大勢の観光客にげんなりしてしまい、結局そのまま通過。白川郷ICから再び高速に乗り、土砂降りの雨の中を東北道に出て、金沢東ICにて降りる。

千里浜 なぎさドライブウェイ

千里浜なぎさドライブウェイは有名なので知っている人も多いと思うけど、波打ち際を走る事ができる砂浜ロード。

何しろ走っていて気分が良いので、能登に来ると必ず来てしまう所である。今回もやって来た訳だが、時々小雨が降るあいにくの天気。風も強く、海は荒々しい波が押し寄せて来ている。

なぎさドライブウェイ入り口左写真は南側出入り口なんだけど、見ての通りアスファルトの上に砂が多量にある状態で、砂浜自体より滑りやすくて注意が必要な場所。

で、ここでいきなりマシントラブル。

砂浜に出ようとキーをONにしたところ・・・液晶パネルの距離計を表示する部分に「FI」との表示が。そして右側でFI警告灯が点滅している・・・。

「え???何で???」

普通、インジェクション警告灯なんてよほどの事がない限り点灯する事は無い。当然、エンジンは始動不能。

頭の中は混乱するばかり。とりあえず取扱説明書を引っ張り出し、この場合の対処法を調べようとしたら・・・「燃料噴射装置かCVTユニットに不具合が発生した場合に点灯又は点滅します。スズキの販売店に連絡してください」と書かれているのみ。

こんな場所で、どないせーっちゅうんじゃっ!!!

ほとほと困り果て、この場面をどう乗り切るかいろいろ考えるが、とりあえず最寄のバイクショップを調べて、何とかしてそこまで空波くんを運んでいき、見てもらう事くらいしかできそうに無い。しかしFIやCVTを調べると言っても、テスターやコンピュータが出す診断信号に関する資料が必要になるはずだし、車ならともかく空波くんの場合はそこらのショップでできるとは思えない・・・。

そんな事を考えながら何度かイグニッションをON/OFFしているうちに、表示が正常に戻ってエンジンを始動できてしまった。

不安を抱えつつ、再出発する。

千里浜なぎさドライブウェイ砂浜に出てみると満潮の時間帯と重なっているようで、以前来た時より随分砂浜が狭いような感じがする。

一度走り出してしまえば突然エンストと言う事は無さそうだし、砂浜をのんびり流す。不安要素を突然抱え込む事にはなってしまったが、走っていて気分が良かった。砂浜を自由に走れる場所は少ないし、せっかく来たのだから楽しく走りたいしねぇ。

ちなみに、右写真を撮ってから走り始めるのに、やっぱり10分以上かかってしまいました(汗) 気軽にエンジンを止められないのは、精神的に結構堪えます(-_-;) エンジンを止めなきゃ良いじゃん、と言う人もいると思うけど、スクーターの場合はエンジンをかけたままサイドスタンドを出せない安全装置が付いているし、さすがに砂浜じゃセンタースタンドは立てられませんです・・・。

千里浜のキャンプ場気分良く砂浜を走り、売店等がある建物の脇から出る。今回初めて気が付いたんだけど、すぐ脇にキャンプ場があった。

あいにくシーズンオフに突入と言う事で水道は止められてしまっていたが、トイレは使用できた。買出しもそれほど不便ではない場所なので一度使ってみたい気もするが・・・。

なぎさドライブウェイのすぐ横だし、シーズン中は結構混雑するかもしれないなぁ。夜も静かに過ごす・・・と言う感じじゃ無さそう。

その後、県道2号線を使って一気に七尾市へ移動。途中、古墳など私には面白そうなスポットがいくつかあったんだけど、時間的な都合と空波くんに不安要素を抱えている関係で、今回はパスしました。

今回の宿は和倉温泉の近くにあるビジホに連泊。とりあえず場所を確認するが、チェックインまでには少し時間がある。と言うわけで、能登島へ向かう。

しかし、持って来た地図がツーリングマップルの2003年度版と古く、この付近は地図と現状の道路が細かい所で違っている(例えばTM上でのR249の和倉温泉駅周辺は、実際は県道1号だったりする)ので、何度か道に迷いそうになりました(^_^;)

能登島 須曽蝦夷穴古墳

須曽蝦夷穴古墳は、能登島大橋を渡ってそのまま県道47号を走っていくと、左へ入っていく所に看板が出ているのですぐに分かる。その道を突き当りまで行った所が駐車場。蝦夷穴歴史センターという建物もある。しかし他に車は無く、いるのは私一人だけ。

駐車場の片隅に空波くんを止め、ちょっと変わった名前のこの古墳に向かって歩き始めるが、空はいつ雨が降り出してもおかしくないほどの厚い雲がかかり始めている。

遊歩道を少し歩いた所に古墳はある。

須曽蝦夷穴古墳は、古墳時代が終わる直前の7世紀頃に築かれた、地元の有力者の墳墓。東西18.7m、南北17.1mの方墳で、一番の特徴は石室が二つある事。「雄穴石室」と「雌穴石室」という名前が付けられている。

もう一つの特徴は、石室の天井の石がドーム型になるように積み上げられている事で、このような石室は他に例が無いのだそう。しかも雌穴は石室が逆L字型、雄穴の石室はT字型というこれまた変わった構造。

石室の入り口は海側にあり、雌穴と雄穴が左右に並んで口を開けていた。

恐る恐る中を覗き込んでみるが、天井は意外に低く、身をかがめないと入っていく事はできない。雌穴のほうは石室の中まで入る事ができるのだが、墳墓の中であるしちょっと不気味な感じもしたので、入り口で写真を撮るだけにしておきました。

右写真は雄穴の入り口から中を撮ったもの。綺麗に残っているように思われるかもしれませんが、実は入り口から石室までの通路と石室のかなりの部分は復元されたものだったりします。

発掘調査&修復前は、手元のパンフレットを見る限りは鬱蒼とした森の中に崩れかけた二つの石室と、天井が無くなって側面の石垣も崩れかけた羨道(古墳外部から石室に通じる通路)、という状態。1989〜1996年にかけて発掘調査・復元作業が行われ、伝統的な工法を用いて築造当時の姿にできるだけ忠実に復元されているとの事。

実際に目にして思ったことは、それほど大きくは無いこの規模の古墳に何故石室が二つあるのか? そしてその使い方はどうだったのか? ということ。

このあたりに関してはパンフレットや現地の説明看板を見ても書かれていないし、帰宅後にネットで検索してもよく分からなかった。長い年月を経て崩壊が進んだ石室は開放状態だったし、当然副葬品はもちろん棺自体も無くなってしまっている状態だったから、詳しい調査はできなかったのだろう。

被葬者は地元の有力者と前述したけど、大きな雄穴のほうはこの古墳の主を葬ったと推測されているので、雌穴のほうは副葬品専用(?)の石室・・・という考え方もできるけど、雌穴のほうにも棺台があるので、主の身内とか親族も葬られたのかもしれない。もしかしたら夫婦で葬られたとか。

まぁこれは考古学ド素人の私の勝手な想像に過ぎないんだけど、いろいろ想像してみるのも結構楽しいものです。


※石室入口のある古墳南側。写真3枚を合成してあります。

昔は鬱蒼とした森の中で、古墳の上にも木々が生えているという状態だったんだけど、今は史跡公園として整備されている。

南側は七尾南湾が一望でき、景色の良い場所。築造当時も同じような景色だったのでしょう。海が一望できる所に墓所を設けるというのは、沖縄のお墓にもちょっと通じるものがあるなぁ〜と、ふと思ってしまったのでした。

で、駐車場に戻って隣接する蝦夷穴歴史センターに入る。入場料は100円。もちろんこの時点での来館者は私一人(^_^;)

内部は蝦夷穴古墳から出土した遺物の展示の他、縄文時代から中世にかけての能登島の歴史、そして昭和初期の能登島での生活を伝える写真パネル等が展示されている。昔は能登島は島ではなく能登半島の一部だったりとか、地理的にも結構大きく変わっていた事をここで初めて知ったし、なかなか楽しく見学させていただきました。

見学も終盤になった頃、外から「サー」っという音が聞こえてきた。げっまた雨だよ・・・。外に止めてある空波くんに慌てて駆け寄り、カッパを取り出し歴史センター入り口に戻る。管理人のおばちゃんのご厚意に甘えて、しばらく雨宿りさせていただきました。

雨が小降りになったのを見計らって、おばちゃんにお礼を言って出発。まぁ今日はこれから宿に向かうだけだし・・・と思いながら走っていたら、能登島大橋を超えた所で雨は止んでしまいました。しかも路面は思いっきり乾いているし(-_-;) 今回の能登半島は天気がこまめに変わりすぎて、対応するのが大変です・・・。

宿は和倉温泉駅近くのビジホで、判りやすい場所にあった。素泊まりで予約したので、夕食をどうしようか考えて駅前になら食堂があるかもと思い行ってみたら、とりあえずありました。一軒だけ(^_^;)

夕食はその小さな食堂で済ませ、後は部屋に戻ってビール片手に一人で乾杯。ほろ酔い気分でブログに旅日記をメールでUP。適度な疲れを感じつつ、午後9時過ぎに早々と就寝。ZZzz・・・。

[ 10/7 | 10/8 | 10/9 ]

リンク

ホーム
旅日記TOP

コンテンツ内リンク

・10/7
10/8
10/9





▲ページ先頭に戻る