キャンプ旅に行こう 2006年夏・初めての北海道車旅の旅日記です。
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2006年 北海道の旅

8月14日 その2

いったん網走まで出た後にR238を西に向かい、サロマ湖畔の「ところ遺跡の森」に立ち寄る。ここはアイヌ文化より昔の縄文時代・続縄文時代・擦文時代の住居跡が復元・保存されている。

ところ遺跡の森

上に書いた文を見て、「続縄文?擦文?」と思った人もいるかもしれない。北海道は、本州以南とはちょっと違った独自の歴史を歩んできた。もっとも、沖縄も独自の歴史と文化を持っていたので、俗に言う「日本史」とは本州と四国と九州に限られるといったほうが良いのかもしれない。ちなみに薩文時代の後は、内耳土器時代(原アイヌ文化)→明治時代(新アイヌ文化)と続いていく。

内地では縄文時代の後は稲作が始まって弥生時代に突入するが、北海道は寒冷地の為に稲作ができず、狩猟や漁・採取で生活する縄文式の生活形態が続いた。それを俗に続縄文時代という。

内地が古墳時代〜奈良・平安時代の頃に影響を受けて続縄文文化が発展変容したのが薩文時代で、この時代の人々がアイヌ民族の直接の祖先になったらしい。

ここは、縄文・続縄文・擦文時代の住居跡が多数残っているところ。案内板によると、同じ台地にある時代の違う遺跡の立地条件が異なっているのは非常に珍しいらしい。

とりあえず遊歩道を適当に歩き始めるが、森の中でサロマ湖のすぐ横という事もあって、非常に虫が多い。虫除け対策を何もせずに入ってしまったので、周囲に虫がたかってしまい目障りだったのだが、車に戻るのが面倒だったのでそのまま森の中を歩く。

復元された竪穴住居まず目に入ったのが、薩文時代の竪穴住居の復元家屋。

案内板によると、まだ研究段階の為に正確な構造で復元されているわけではなく、アイヌ民族の住居の構造を参考に復元されているとの事。

他にも縄文時代や続縄文時代の住居も復元されているが、やはり同じように当時と全く同じ構造・・・という訳ではないらしい。

とはいえ、基本的に木の骨組みに屋根と壁を萱で葺く、というのは共通しているようだ。しかし、当時の人はこれで北海道の厳しい冬を越したわけで、現代人にはまず無理な相談だろうなぁ・・・。中を見てみようかと思ったが、入ろうとしたら中から多量の虫が出てきて、一気に入る気力が失せてしまったのでした(^_^;)

竪穴住居跡地にそのまま復元されたものとは言え、当時の住居と同じ構造かどうか分からないというのもあるんだろうけど、この住居から人の気配と言うか感触というのがあまり感じられないのは仕方が無い事なのだろう。さすがに1000年も前の竪穴住居が現代まで残らないし、資料的な要素が大きいだろうし。

竪穴住居跡遊歩道の脇には、至る所に「竪穴住居跡」と書かれた小さな看板がある。ほとんどの場所はその部分がなだらかに凹んでいるのだが、これが北海道の竪穴住居跡の特徴なのだそうだ。

内地だと真平らになってしまうが、北海道の場合は気候的な理由で平らにならず、凹んで残るのだそう。サロマ湖周辺、特に能取湖との間にはこうした遺跡が多数確認されている。

また、この周辺は土着民族である続縄文人や擦文人とは別に、渡来人がやってきて住んでいた事も知られ、オホーツク文化といわれている。続縄文人や擦文人とはかなり違う文化形態を持っていたらしいが、10世紀頃になると突然姿を消してしまった。その事から、謎の海洋民族と言われている。

和人(内地の日本人)がやってくる遥か以前に、北海道では異文化の出会いがあったわけだけど、古代の日本は単一民族ではなかったという事。日本の端っこである北海道と沖縄では、内地には無い歴史があってなかなか面白い。

ちなみに遺跡の森を散策すると「ところ埋蔵文化財センター『どきどき』」という施設がある。えらく立派な施設なんだけど、私が言った時は見学不可。というよりも、ずっと閉館しているような雰囲気だった。建物周辺は雑草が大きく成長していたりするし・・・。発掘された各種土器が収蔵展示されてるんだけど、残念ながら見ることは出来ませんでした。

北海道で初めての車中泊

能取湖畔の卯原内という場所は、かつての卯原内駅跡地が鉄道公園というか資料館になっている。9600型SLと客車(以前はライダーハウスだったらしい)と資料館兼休憩所、そして広い駐車場がある。

道の向かいがAコープで水道もあり、少し離れた所にガソリンスタンドもあるという立地条件なので、ここで車中泊しようと最初は考えていた。で、その準備をすべく網走市内まで走る。

ホームセンターに行きたかったのだが、地図を見ても当然場所は分からない。以前の北海道ツーリングでデジカメが壊れた時に、市内の電器店でおもちゃ系デジカメを買った事があり、その電器店の場所を大体覚えていたので、網走市街地の状況というか街の構造を考え、もしかしたらその近辺にあるかも、と見当をつけて行ってみたら・・・

・・・ありましたありました、ホームセンター。典型的なKKD(勘と経験と度胸の略)だったんだけど、大当たりでした。

んで、ホームセンターで網戸の網だけを2mほど、そして布テープを購入。卯原内まで戻り、作業に取り掛かる。

作ったのは見ての通りの網戸。スライドドアの窓の高さに合わせてハサミでカットし、端がほつれないように布テープで補強。

で、同じものをもう一つ作る。
それを内側からやっぱり布テープでベタベタと固定。隙間が空かないように、念入りにテープを貼り付けた。

見ての通りの車中泊用の網戸。車中泊の場合は車内にどうしても湿気がこもってしまうので、窓を少し開けておきたい。しかし能取湖やサロマ湖周辺は蚊を初めとした虫が多い一帯なので、これが無いと窓を開けられないのだ。

本格的なキャンピングカーには標準装備されてる事が多いけど、さすがに普通の車は自作するしかありません。

やがて日も暮れてきた。夕食は道向かいのAコープで買ったカップ麺とご飯で簡単に済ませる。

ここで一晩明かすつもりだったのだが、資料館兼休憩所に鍵をかけられてトイレが使えない事と、変なあんちゃん達がたむろしていて雰囲気が今ひとつだったので、結局少し北にある能取PAに移動。

こちらも車は比較的少なくて、交通量があまり多くない事もあって意外に静か。PA利用者もそれほど多くない。トイレもあるし、車中泊には好都合だった。というわけで、ここで一晩過ごしたのですが、さすがに北海道だけあって夜は涼しかったです。網戸のお陰で窓も少し開けておけたし、湿気と暑さに悩まされる事無く快眠したのでした。

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