キャンプ旅に行こう 2007年夏・北海道旅日記です。
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2007年夏 北海道の旅

8月16日

眼が覚めると、雨がテントを叩く音が。

「やれやれ・・・雨かよ。」

のっそりと体を起こし、思いっきり伸びをする。とりあえず今日は美深あたりまで移動しようと思っていたので、まずはテント内の荷物の片づけを始める。

テント内の荷物をスカブに積んで、小雨になったのを見計らってテントの撤収に取り掛かる。カッパを着ての作業になるが、雨で体が濡れない代わりに汗で濡れてしまった。いくら防水透湿素材とは言え、さすがに大汗に対しては効果は無いからね。

撤収完了後、他のキャンパーと雑談しつつ休憩。私は知らなかったのだが、昨夜ちょっとしたいざこざがあったようだ。混雑していると、周囲によほど配慮しないと自ら余計なトラブルを招きかねない。私も注意しないと。

和琴湖畔キャンプ場の場合、混雑時は場内でのエンジン始動は禁止されているので出入り口まで押して行かねばならないのだが、管理棟兼売店横からなら距離が短いので楽に押していく事ができる。またまた大汗をかきながら、道路までスカブを引っ張り出し、エンジン始動・・・

・・・と思いきや、またもやFI警告灯が付く。仕方が無いのでキー穴周辺の水滴をタオルでふき取って何度かキーをON/OFFしてようやく始動。

再び美幌峠を越え、美幌町市街地を抜けて道道122→R39→R242→R238→R239というルートで興部へ。道の駅にてカッパを脱ぎ昼食を取る。その後、更に西へ。

西興部村鉄道記念館

この資料館は旧上興部駅の駅舎を利用した記念館で、駅舎の他にホームと気動車が保存されており、周辺はちょっとした公園になっていてトイレもある。

ここを通っていたのは、旧名寄本線。名寄〜紋別〜遠軽間を繋いでいた路線で、複数の支線を持っていた。

かつては札幌や旭川から網走方面へのメインルートだったが、昭和7年に石北本線開業後は主役の座から下ろされてしまい、平成元年に廃止。

本線級が廃止になってしまうのは、変な言い方になりますが北海道ならでは・・・なのでしょう。ちなみに「本線」と名が付く路線で廃止になったのは、名寄本線だけだとか。

内部はかつての運賃表と各種制服、そして気動車やディーゼル機関車の構造を図解化したパネルなど。

北海道は廃線になった区間が多い事もあって、かつての駅跡はこうした資料館になっている場合が多い。観光地ではないのでほとんどの場合は人影がまばらかここみたいに私一人だったりすることが多いんだけど、ゆっくり見られるので個人的には好きだったりする。

来年もし北海道に来られたら、「鉄ライダー」に徹するのも悪くないかもしれないなぁ。実際私だけでも無さそうで、私のすぐ後にVFRのライダーが見学に来てました。

トラブル発生

「さて、後は美深まで一気に移動かな」などと考えつつスカブのイグニッションをONにしたら、またFI警告灯が点灯。今朝もそうだったし、何とかなるだろうと思っていた。この時までは・・・。

車体が濡れているんだったら水滴を拭き取ってから試すんだけど、雨はとっくに上がっていて車体は乾いている。仕方が無いので、少し間を空けながら何度かイグニッションのON/OFFを繰り返すが、いくらやっても警告灯は消えずエンジンが始動できない。

非常にヤバイ状態だ・・・。何せもう対処方法が無いのだ(-_-;)

時間は刻々と過ぎ去っていき、かなり焦りが生じていた。時間的にもこれから引き上げて云々・・・というのも難しい。しかもこの付近(西興部の道の駅近く)にはバイクショップなんて存在しない。農業機械も扱う整備工場ならあるかもしれないが、お盆じゃ無理だ。

困り果てた挙句、移動が困難になってしまったのでとにかく近くの宿を確保しておこうとTMを広げる。

幸い近くに「ひなた母校」(ひなたぼっこ、と読むようだ)という旅人宿があったので、電話をかかる。今晩宿泊する旨を伝え、「上興部駅跡にいるんですけど、どの位距離がありますか?」と聞いた所、興部方面に向かって1kmちょっととの事。この時点で覚悟を決めた。

興部方面に向けて、スカブを押し始める。スクーターは走っている時は楽だけど、駆動系の抵抗が大きいので押すと実際の車重以上に重く感じる。しかも荷物満載だ。荷物を含めた総重量では300kgを超えているはず。

時々止まって息を整えつつ、ひたすら押す。しかし、具体的な場所を知らないのでどこまで押せば良いのかわからない・・・というのは、精神的に堪える。

すると、後ろからやって来た一台のGL1500が前方で止まり、乗っていた方が「どうしましたか?」と話しかけてきた。事情を話すと、先回りして場所を地元の人に聞いてくれた。さっき横目で見た国道沿いの廃校(旧上興部中学校跡)がそうらしい。なるほど、それで「ひなた母校」なのか・・・。

ようやく場所が分かったので、押す腕にも力が入る。必死でスカブを押しまくり、ようやく到着。わずか1kmちょっとがこんなに長く感じたのは初めてでしたよ・・・。

その後GL氏と少し会話をし、別れる。本当にお世話になりました。とりあえずスカブを入り口前の駐車場(と言うか校庭)に止め、校舎内に向かって声をかける。

NOBU:「ごめんくださ〜〜〜〜い。誰かおられますか〜〜〜〜〜。」
『し〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん』(無音)

どうやら留守中らしい。仕方が無いので、校舎出入り口に腰掛けて一服しながら宿主の到着を待つ。その間に、明日泊まる予定の宿「旅の途中」にも電話して、明日行けるかどうか怪しくなってきた旨の連絡をしたり、バイクショップ等に電話して対処法を聞いてみたり。

待つ事30〜40分、宿主の方が帰宅。部屋に案内されて荷物を置き、一通り説明を受けてようやく一息。素泊まりの宿なんだけど、とりあえず大盛カップ麺もあるし、ビールは無人販売形式で売られているので特に困る事は無かった。風呂も済ませてすっきりさっぱり。

荷物を降ろす時にもう一度イグニッションをONにしてみたら、FI警告灯が消えてエンジンが始動できた。とりあえず一安心して荷物も部屋に入れて、テントを室内に通されている紐にかけて干す(部屋は元々教室なので、テントを広げられるくらい広いのだ)。

同宿者はRX-7氏と、レンタカーで旅をしている関西の女性と、その女性と一緒に旅をしているライダー氏(この二人、最初はてっきり変則的な移動手段だけどカップルだと思っていた)、そして私。成り行き上初めて利用する宿なんだけど、建物は古いけど居心地はなかなかなかなか良かった。

食事後は同宿の皆さんと歓談、明日の予定を考えつつ眠りに付いた。

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