キャンプ旅に行こう 2005年の北海道ツーリング旅日記です。
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2005年 北海道ツーリング

8月8日

朝8時、森林公園美深アイランドを後にする。

美深市街地のセイコーマートで今日宿泊しようと思っている宿へ電話を入れるが、あいにく留守電になっていた。後ほど再度電話をかけることにして、道道49号を西へ。そう、トロッコ王国のある方向である。

道道49号線沿いは、かつて赤字路線日本一だった旧国鉄・美幸線の通っていた所。その遺構を横目で見ながら交通量極少の道を快調に駆け抜ける。普通に走っていても、橋梁や築堤の遺構を目にすることができる。

道道49を山中に入ると、美幸線の遺構が残されています。
こちらも美幸線跡ですが、トロッコ王国で使われている区間。この橋梁の上をトロッコで走ることができます。

美幸線は美深駅から数キロ毎に東美深駅・辺渓(ぺんけ)駅があり、その次は約15km走って仁宇布(にうぷ)駅だった。何でこんなに差があったのかというと、辺渓駅から仁宇布駅までは完全に無人地帯で、駅を作りようが無かったというのが本当のところ。

最終的には、北見枝幸まで線路を伸ばす予定だった路線。実際、仁宇布駅から先には路盤が作られており、トンネルや橋梁・築堤もほぼ完成し、バラストも敷かれて跡は線路を敷くだけという状態だった。しかも交差する道路とはほとんど立体交差にするという高規格で作られていた。

普通に考えれば、このような所に線路を作ろうとしたのは冗談としか思えないであろう。特に都市部の人達にとっては。しかし、現JR飯田線もそうではあるが、昔は鉄道は単なる経済的な面だけで通した訳ではなかったのだ。経済面以外の理由とは、軍需物資の輸送のため。軍事はすべてにおいて優先されたから、採算面は後回しにされたというわけ。

今なら自動車やバイクと言う便利な交通手段があるが、昔はまともな交通手段は鉄道しか無いという事情もあっただろう。特に冬は。

仁宇布駅跡の石碑を見ると地元での念願でもあったみたいである。そういう側面もあったのだが、時代の変遷とともに美幸線もその役割を失って廃線になってしまった。

話を元に戻して、トロッコ王国について。

ここはより利便性を高める為の工夫もされているようで、終点付近は複線化されていてトロッコの転回作業がより楽にできるようになっていた。転回地点横の道道にはパーキングが新たに設置されていて、車中泊したと見られるファミリーが何やら楽しそうにはしゃいでいた。

ここもトロッコ王国が使っている区間。なかなか気持ち良く走れそう。
トロッコ王国の終点は拡張されて複線化されてました。写真右側に新しく作られたパーキングが写ってます。

もちろん仁宇布駅跡(現トロッコ王国始発)にも立ち寄ってみた。まだ時間的に早いのでお客さんは無く、係員の人はトロッコの整備や構内の整理をしていた。

また見た事の無かった仁宇布駅跡の北見枝幸方面もちょっと探索してみた。駅構内の線路が全部一本にまとまった先に車止めがあって、そこで線路は途切れていた。しかし前述したように路盤跡はその先に続いていた。「カネの無駄」と言われればそれまでではあるが、当時はカネの問題ではなかったと言うこと。

ちなみに余談ですが、仁宇布から道道120を北に行くと「天の川トンネル」と言うトンネルがありますが、これは元々美幸線の為に作られたトンネルを拡張して自動車用トンネルとして再利用されたものです。

美幸線の終点。わかりにくいですが、写真中央に車止めが写ってます。

この先にも延々と路盤跡が続いています。

そして何故か、仁宇布駅構内には朽ちかけた電車(583系寝台車)が一両置いてある。北海道のローカル線はほとんど電化されていないのに、なぜ電車? とも思うが・・・寝台車ということは、宿泊施設としてでも使うつもりだったのかな? それとも以前は工事関係者の宿泊施設として使っていたのか・・・。いろいろ想像をめぐらせるのも、私にとっての旅の楽しさのひとつ。

その後は松山峠・上幌内峠を越えてオホーツク海に出て、道の駅・興部(おこっぺ)で休憩。今年はパトカーをよく目にするが、オホーツク海沿いで多いような感じがするのは気のせいか。

道の駅で今日宿泊予定の宿、 小さな宿・旅の途中 に再度電話する。宿主のtoshiさんとは宿ができる前からの知り合いで、今回ぜひ泊まりたかった宿である。幸い今日は空きがあるので宿泊OKとの事で無事予約完了。安心して走り始める。

R273に入り、南へ。滝上町から道道に入り、とある場所に行ってきたんだけど・・・考えた末、軽率な行動を取ると危険を伴う恐れがあると判断し、詳細はあえて載せない事にしました。かく言う私も最近知ったのですが、前回訪れた時に私自身がまさに危機一髪の状態だったのです。もちろん当時の私が知る由も無かったのですが・・・。

北海道ツーリング歴の長い人には、私がどこに行ってきたのかお分かりになるかと思います。ちなみにTM北海道版からも情報が削除されている場所です。ライダーはもちろん、観光客も一人もいませんでした。

とりあえず、今年はしっかり健在でした・・・とだけ書いておきましょう。私もちょっと離れた場所から眺めて写真に収めるだけで戻ってきました。

R273に戻り、更に南下。浮島トンネルの入り口手前からダートに入り、湿原目指して登っていく。Vストロームはかなりオンロード寄りな上に荷物満載。この状態で平気でダートに入っていく私は、他の人から見たらかなり変人なんだろうなぁ(^_^;)

荷物を積んでいると確かに操縦性が変わるけど、それに合わせた走りをすれば良いだけの事。「空荷でないと走りは楽しめない」というのはさすがに卒業しているつもりです。個人的な考えだけど、荷物満載状態で走る事を楽しめるようになれば、ツーリングもより楽しくなると思うんですけどね。

R273にて。長い直線がどどんと続いています。北海道ならではの景色。
浮島トンネル北側からダートに進入。写真は浮島峠にて。私は結構冷や汗かきながら走りましたが、250ccクラスのオフ車なら特に問題無く走れる林道です。ちなみに、

昭和59年に浮島トンネルが開通するまでは、この道が国道273号でした(^_^;)

もちろん冬季閉鎖。写真左上の標識を初めとして、林道の割に標識類が多いのも国道だった頃の名残なのでしょう。

浮島峠を越えて少し下った所に浮島湿原への入り口と駐車場があった。Vストロームを日陰に止め、飲み水とタオルを持ち、観光客が結構いるとは言え念の為くま除けの鈴を身に付けて湿原に通じる遊歩道を歩き始める。

・・・が、実は数日前から腰の具合が悪く、バイクに乗り降りするたびに腰に痛みが走る状態。荷物の関係でライディングポジションが前にズレて、腰に変な負担がかかっているのが原因みたいなんだけど・・・。

湿原までは1.6km。腰痛を我慢しながら上り坂を歩くのは結構しんどかったが、その先には綺麗な湿原が待っていた。

名前通り、いくつかの沼には浮島がある。おそらく風のある日は池の中を移動していくのであろう。沼自体も水は黒く底を見る事ができない。淵からいきなり垂直に底まで落ち込んでいるような感じで、ちょっと不気味な感じも。

でも全体を眺めてみるととても綺麗な風景だ。空は青空だし青と緑のコントラストが目に優しい。沼には木々や空が映し出されてなんとも言えず美しい。歩道をのんびり歩きながら堪能。観光客の中には風景をスケッチしたりカメラを構えている人も。遊歩道の杭や段差に足を引っ掛けると背骨にビリビリッと強烈な痛みが走るのが辛かったが・・・。

1.6km歩いて辿り着いた浮島湿原は、とても綺麗な所でした(^^)
写真を良く見ると、ちゃんと浮いているのがお分かりになるかと。見るのは初めてだったから、しげしげと眺めてしまったのでした。

浮島は枯れた植物から発生するメタンガスや二酸化炭素によって浮力が発生して生成されるみたいなんだけど、目の当たりにするとそんな事はどうでも良くなってきてしまいます。
快晴という事もあって、一番綺麗な姿を見る絶好のタイミングだったのかもしれません。

反対に、霧に霞む姿もなかなか神秘的で良いかも。

中には湿原の中に入り込んで足跡で踏みつけられてしまっている場所があったのが残念だったが、こうした場所はできるだけそのままの姿で残しておきたいものだと心から思う。

それにしても、良くこの湿原の下にトンネルを通したと感心してしまう。さぞや漏水が多かっただろうに・・・。建設に携わった方々の苦労がしのばれます。

湿原から駐車場に戻り、腰の事を考えて宿に直行する事に。で、走り始めたんだけど・・・すぐに国道に出てしまった(^_^;) こんな事ならトンネルを通って南側から入れば良かったと後悔したが既に遅し。TMには遊歩道への入口が書かれていなかったんですよ〜(言い訳)。

R39→道道140→道道37→R237と淡々と走り、通称「ジェットコースターの路」を駆け抜けて今夜の宿、「旅の途中」に到着〜。最初はちょっと迷うかな? と思ったけど、わかりやすい所にありました。宿主のtoshiさんとも久しぶりの再会。知り合った時にtoshiさんと一緒だった人達とも再会し、他のお客さんも含めて楽しいひと時を過ごしたのでした。

8月9日

朝6時半起床。厚みのたっぷりある快適な布団で快眠。

おいしい朝食を済ませ、再会した人達と写真を撮り、出発。小さい宿ではあるが、大きな宿とはまた違った楽しさがある。今回の旅で再訪する事をオーナーに告げ、写真を撮っていただいて8時過ぎに出発。

「旅の途中」は、離農した農家を改装した宿。改装作業の大部分を宿主のtoshiさんが自分で行ったとの事。

宿主toshiさんは某自動車メーカーのワークスメカニックとして海外ラリーに参戦した経験の持ち主で、バイクでもロシアンラリーに参加経験あり。

再度ジェットコースターの路を抜けて、国道237へ。今日の目的地は釧路。ビジネスホテルへ宿泊し、釧路市内でバイク仲間との宴会をする予定である。

道道75に入り、東へ向かい、R242を本別方面へ。

ここで「何でR38を走らないの?」と思う方も多いと思うが、R38は交通量が多くてペースがガタ落ちになるので、走りたくなったのだ。北海道まで来て大型トラックやダンプの後ろを延々走りたく無かったんですよ。

本別からR392へ。ここは前も走ったんだけど、交通量が少ないので前回同様快調に走る。走行中に時々センタースタンドから火花を散らしてしまったのは、ここだけの話ということで。

で、前回確認できなかった旧国鉄・白糠線の「上茶路駅」跡を探索したかったのでスピードを控えめにしつつ探してみるが・・・。結局わからなかった。沿線では何やら工事があちこちで行われていたし、もしかしたら駅の跡も無くなってしまっていたのかもしれないが・・・。

上茶路付近にて。錆び付いた鉄道用の信号機がポツンと立っていました。今考えると、この近くに駅の跡があったのかも。
写真奥にトンネルがあり、手前まで路盤跡が続いてます。R392沿いは、ちょっと視線を横にやるだけで遺構があちこちにあるのがわかります。

その後は釧路に直行。上富良野は晴れて日向は暑いくらいだったが、R38に出る直前から空は曇り始めて霧雨が降り始めた。例によって気温もぐっと下がり、肌寒いほど。

ツーリング出発前に予約済みだった釧路駅前のビジホにチェックインし、某居酒屋でバイク仲間と合流。今回の面子は私・おとう・FuGさん・れれ坊さん・ぶっちん姉さんの5名。話は盛り上がって、その居酒屋だけで4時間も居座ってしまいました(^_^;)

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