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出発前のバイク整備・1

出発前のバイク整備・2

出発前に点検・整備を

北海道ツーリング時の走行距離は、人にもよりますが1回のツーリングで2000〜3000km位、人によってはもっと走ります。従って、出発前にバイクのメンテナンスは欠かせません。

「どこも調子が悪い所が無いから大丈夫」と出発して現地でバイクショップのお世話になったり事故を起こす前に、出発前に点検整備しましょう(管理人自身も痛い思いをした事あり)。

もちろん、全て自分で点検整備を行えればそれに越した事はありませんが、メカニズムに精通した方ばかりではありません。点検整備に自信が無い方は出発前にバイクショップに整備に出すのも良し、自分でできる所は自分で整備して自信の無い所や特殊工具・機械が必要な所はバイクショップに出すのも良し、とにかくバイク自体に関しては不安要素を無くすようにしましょう。

ただし、出発直前に点検整備をしたら交換が必要な部品があって入荷が出発に間に合わない……などと言う事もありますので、自分でやるにせよバイクショップに出すにせよ、時間的に余裕を持って点検整備しましょう。

点検整備をする所……と言うと、ねん・お・しゃ・ち・え・ぶ・く・とう・ば・しめと言う言葉を教わった事のある方がおられると思います。これは運行前点検項目を短縮した言葉だったと思うのですが、「ねん」(燃料の量)以外を点検すれば基本的にOKです(もちろん、運行前点検以上の事をする必要あり)。

今でも教習所で同じ言葉を使っているかどうかわからないのと、忘れてしまった方の為にそれぞれの言葉について掲載しておきます。

ただし、管理人自身も教わったのがかな〜り昔の事なので、間違っていたらごめんなさい。

点検項目一覧

項目1と2はこのページ、項目3以降は出発前のバイク整備・2に掲載しています。

項目1 ねん ねんりょう(燃料)
項目2 イル 量・汚れ具合
項目3 しゃ しゃりん(車輪) タイヤ・ホイールの状態の状態
項目4 ェーン 遊びの量、給脂状態、磨耗状態
項目5 ンジン オイル漏れ・異音の有無
項目6 レーキ パッドやシューの状態、遊びの量
項目7 ラッチ 遊びの量、切れ具合、繋がり具合
項目8 とう とうか(灯火類) 点灯・点滅するか
項目9−1
項目9−2
ッテリー、ックミラー 電解液の量、向き・汚れ
項目10 しめ しめぐあい(締め具合) 各部ボルトの締め付け具合
項目11 その他 ----- その他チェック事項

項目1・「ねん」(燃料)

とりあえず満タンもしくは最寄のスタンドまでのガソリンがあるかどうか、燃料ホースからのガソリン漏れの有無を点検しておく位で良いでしょう。

項目2・「お」(エンジンオイル)

4サイクルエンジンの場合

オイルは出発前に交換しておくのが無難です。北海道ツーリングでは総走行距離が長くなるので、交換せずに出発するとツーリング中に交換時期が来てしまうことがあります。

だからと言ってすぐにエンジンが壊れるわけではないのですが、交換時期のことを気にせず走れたほうが精神衛生上良いですし、オイル交換で時間を取られる事もありません。お盆の時期はバイク屋さんも閉まっている場合が多いですし。

また北海道は巡航速度が高くなりますし、荷物を積んで車重が重くなってくることでエンジンへの負担が大きくなってきます。その意味でも出発前にオイル交換する事をおすすめします。

オイル交換のインターバル

エンジンオイルの交換は、管理人の場合3000〜5000km毎に交換しています。この交換インターバルが長いのか短いのかは、私自身はよくわからないと言うのが本当の所です。

人によっては「まぁそんなもんでしょう」と言われる方もいますし、以前某メーカーのバイクを開発してる方と話す機会があったのですが、その方には「短すぎですっ」と、きっぱり言われてしまいました(当時、管理人はトランザルプに乗ってました)。

四輪の場合はエンジンの改良などによって交換時期は普通に乗ってれば10000〜15000km、もしくは年一回といったところでしょうか。

しかしバイクの場合は四輪より高回転で使用され、更に一部のメーカー・車種を除いてミッションやクラッチも潤滑しているために、オイルに含まれる高分子(鎖のように長く連なっている分子)がギヤによって剪断、つまり切断されてしまいやすいとの事です。

これらの事から考えると、結局は5000km前後を目安に交換と言う事になりそうです(空冷と水冷で交換距離が違う場合もあります)。とにかく、乗りっ放しではなく定期的に交換するようにしましょう。交換サイクルは取扱説明書に記載されているはずです。

あまり距離を走らない場合は、走行距離ではなく期間で交換する方法もあります(半年に一回とか年一回とか)。特に短距離走行(10km程度)の繰り返しはエンジン・オイル共に負担が大きいので、早めの交換がおすすめです。

オイルのグレードと粘度

使用オイルはそれぞれお気に入りがあると思います。管理人もいろいろなオイルを試したりしていますが、ノーマルエンジンだったら基本はメーカー純正オイルです。市販のオイルを使う場合でも純正オイルのグレードと粘度を基準に選びましょう。

むしろ大切なのはオイルの量。どんな高性能なオイルを入れていても、規定量が入ってなければ意味がありません(入れ過ぎも含みます)。ツーリング中も時々オイル量のチェックをしましょう。車種や年式によってはオイル消費が激しい場合があります。

管理人の場合は、以下のような感じでオイル管理をしています。
  1. 10W-30又は10W-40の二輪車用オイル。
  2. グレードは基本的にMA級。
  3. 地元での入手のし易さとコストを考えて、ホンダ純正オイルかカストロールの二輪車専用オイルを使用。
  4. オイル消費は現在の所ほとんど無いので、量の点検は毎日乗るとしたら2週間に1回程度。冬場は乗る機会が激減するので、2〜3回乗る毎にチェック。
定期的に量のチェックと交換をしていれば、オイルが原因のトラブルはまずありません。ただし、純正オイルか「二輪車用」又は二輪車で使用実績があるオイル、と言うのが前提ですが。

なお、オイルのグレード・粘度の表示の意味を簡単ながら下記に掲載しておきますので、市販オイルを購入する場合の参考にしてください。

グレードの表記法 ガソリンエンジン用オイルのグレードは、SLやSN等と表されます。Sの右側に付くアルファベットが進むほどグレードが上がっていきます。これをAPI規格といいます。

しかしバイクは四輪より高回転で使われ、ほとんどのバイクがエンジンオイルとミッションオイルが兼用という構造上、エンジンオイルに求められる性能がバイクと四輪では違います(API規格は基本的に四輪用規格です)。

その為API規格が同じグレードのオイルでも、二輪用と四輪用では直接比較はできません。

「二輪車用」と書かれたオイル又はバイクで使用実績のあるオイルを使うのが無難です。四輪用の高性能・高価格オイルでもバイクに適合するとは限りません。バイクに使えるかどうか、オイルメーカーに直接問い合わせてみるのが一番確実ですが……。

四輪用オイルをバイクに使う場合は、それなりのリスクがあると言う事を承知しておいた方が良いと思います。
二輪用
オイルの規格
数年前、4サイクル二輪車用エンジンオイルの規格(JASO規格)が制定されました。二輪と四輪でオイルの要求性能が違うにもかかわらず二輪車専用のオイル規格が無かった為です。

また最近の四輪用オイルは、車本体と同様に省燃費性が強く求められている為に減摩剤が多量に含まれているものが多く、粘度(下記参照)も非常に低くバイクに使った場合のトラブルが発生し始めているという背景もあるようです(減摩剤によるクラッチの滑りや低粘度によるミッショントラブルなど)。

4サイクル二輪車用オイル規格はMA級MB級で、性状としてはMA級は高剪断安定性、MB級は低摩擦性という特性が与えられています。どちらがグレードが上というわけではなく、特性の違いのみで決められている規格です。

ホンダ純正を例に挙げると、ウルトラS9とE1はMB級、ウルトラG1、G2、G3、G4はMA級になっています(他のメーカー純正オイルは未確認ですが、ほとんどがMA級のようです)。
粘度の表記法 オイルの粘度は「○○W-○○」(10W-30や15W-50等)と表示されています。これをSAE規格といいます。

Wの左側に書かれている数字が低温時の粘度で、ハイフン(-)の右側の数字が高温時の粘度です。純正オイルは10W-30とか10W-40が用意されている場合が多く、大抵はこの粘度で事足ります。

空冷大排気量エンジンの場合は、長距離ツーリング時や夏場はもっと硬いオイル(15W-50とか)でも良いでしょう。
オイルの種類 オイルには鉱物油・半(部分)合成油・合成油があって、鉱物油→半合成油→合成油の順に性能が高くなります。体感的には、エンジンの回り方が軽くなる・滑らかになったりシフトフィーリングが良くなったり等。もちろん、価格も高くなります。

しかしコストとの兼ね合いもありますし、価格と性能のバランスをどこで取るかで選択する事になるでしょう。一般的な乗り方・使い方なら鉱物油でも特に問題はありませんが、予算に余裕のある方は半合成油や合成油を使ってみるのも良いでしょう。

ただし、合成油でも四輪用の低粘度オイルは使わないほうが無難です。

2サイクルエンジンの場合

管理人は2サイクル車の経験が余りありませんので、簡単に。

2サイクルエンジンは走るに従ってエンジンオイルを消費していきますので、北海道ツーリングの場合は大抵の場合はオイルを持っていく事になります。

どの位持っていくかはオイル燃費と予定走行距離でほぼ決まってくると思いますので、オイル燃費を把握した上で事前に買っておきましょう。また、現地で不足しそうだったら無くなる前にバイクショップ・カー用品店・ホームセンター等で購入しておきましょう。

それから、2サイクルエンジンオイルは違う銘柄を混ぜて使うとエンジンが不調になったりする事があるそうです。お気に入りの銘柄がある方は、荷物になりますが余裕を持って持参したほうがいいでしょう。

余談その1・四輪用オイルを使う場合

1リットル当たりで比較すると分かりますが、二輪用オイルは四輪用オイルより割高な価格設定になっている場合が多いです(販売量の関係でしょう)。従って、バイクに四輪用オイルを使いたい、と思う方もおられると思います。が、管理人としては推奨できません。

四輪用オイルを使った場合に発生するリスクとしては、湿式クラッチの滑りとミッショントラブルが主に挙げられます。これは、特に四輪用オイルには摩擦を低減する添加剤が多量に含まれる事と、最近は始動性や燃費向上の為に超低粘度オイルが多い事からです。

二輪用オイルは純正でも10W-30か10W-40ですが、四輪用は最近のNAエンジン(ターボ無し)用純正オイルは0W-20とか0W-16といった水のようなシャバシャバのオイルです。5W-30ですら冬季は始動性が悪くなる場合があると取扱説明書に書かれている場合があるほどです。

昔の規格のオイルならともかく、現在の四輪用オイルは燃費向上と長寿命化が求められていて、湿式クラッチやミッションに対する適応は考慮されていない、と考えて良いと思います(四輪MT車はほとんどがクラッチは乾式ですし、ミッションはAT・MT・CVT・DCTもほとんどの場合専用オイルや専用フルードを使います)。

大昔ならいざ知らず、現在は二輪車には二輪用オイルを使うほうが無難と思うのですが、どうしても四輪用オイルを使いたい方は、自己責任で試してみてください。四輪用オイルを使う場合は、それなりのリスクを全て自分が背負う覚悟を必要とします。一応念の為。

エンジンのみ潤滑しているスクーターだったら問題が起きにくいと思いますが、その場合でも純正指定している粘度が基本です。

余談その2・頻繁なオイル交換

エンジンには限りませんが、あまりに頻繁なオイル交換は環境保護の観点から問題視され始めていると言うのも事実です。ヨーロッパの某メーカーでは「頻繁なオイル交換は推奨できない」と言い始めている所もあるようです。その理由は、廃油(つまり有害産業廃棄物)の発生量が多くなるから……だったと思います(うろ覚えですみません)。

一番良いのはコストパフォーマンスに優れたオイルを、できるだけ長いインターバルで交換となるのですが、なかなかそうも言ってられないのが実情ですし、大手運送会社等企業レベルでは各種データを取ってオイルの銘柄と交換時期を決めている所もありますが、個人レベルでは難しいと思います。

しかし、今後はオイルやエンジンの改良等によって、交換インターバルは長くなる(長くする)方向になっていくのではないか……というのが個人的な考えです。事実、オイルのロングドレン化をメーカーに要請している国もあるようです。

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