ノートPCの持ち運び
ぶっちゃけた話、今はスマホでメールはもちろんWeb閲覧やSNSへのアクセスやエクセルで表計算したりワードで文書作成したりと何でもできてしまいますし無料Wi-Fiスポットもあちこちにあり(外国に比べたらそれでも不十分らしいですが)、ネット接続環境も昔に比べれば格段に良くなりましたので、あえてノートPCを持ち運ぶ必要性が少なくなってきたのも事実です。しかしスマホの画面の小ささはどうしようもありませんし、キャンプ場や宿ではもっと大画面で使いたいという方もおられるのではないでしょうか。そんな訳で、予算があればですが持ち運び専用のノートPC又はタブレットを購入するのをおすすめします。
管理人も昔はノートパソコンをバイクで持ち運んで、リアルタイムで旅日記をUPするという事をやっていました。さすがに今はやっていませんが……。
私が以前サブマシンとして使用していたFMV-BIBLOです。A4サイズですが、何とかパニアケースに入る大きさでした。 | |
二代目のサブマシンだった、東芝リブレットです。タバコの箱と比較していただければわかりますが、持ち運ぶのは楽勝の大きさでした。 |
ノートPCがあれば携帯・スマホの圏内やWi-Fiスポットならばインターネットに接続でき、デジカメで撮影した画像の保存場所としても使え、容量が大きめの記録メディアを使えば事実上枚数を気にする事無く撮影できて便利です。
しかし、ビジホならともかくキャンプ場でノートPCをネット接続できるのか……とかハードディスクが壊れないか心配、充電手段を何とかしなければならない……等の理由でノートPCをバイクで運ぶのをためらっておられる方も多いと思います。
そこで、私が以前旅先でやっていた方法を含めて紹介します。一度試されてみてはいかがでしょうか? なお、下記は一部ドライブ編と重複していますのでご了承ください。
ノートPCとスマホ・タブレットの接続
スマホが登場する以前は、旅先のキャンプ場などでPCをネット接続する場合は各携帯キャリア専用のケーブルを使ってPCと携帯電話を接続(専用ドライバーを事前にインストール)して使っていました。通信速度も遅くWi-Fiもほとんど飛んでおらず、今から考えるとかなり不便な環境でした。しかしスマホと無線LAN主流の現在は、もう少しスマートな方法でPCをネットに繋げます。もちろん通信速度は昔と比較にならない程高速なので、快適に使えます。
まず自分のスマホが「テザリング」に対応しているかどうか確認しましょう。テザリングとはパケット通信をパソコンで使うことができる機能で、アンドロイドならほとんどの機種が対応していると思います。
テザリング設定は詳しく説明しているサイトが幾つもありますので、そちらを参照ということで。
無線LAN内臓のノートPCならば、スマホ自体がWi-Fiルーターになるのでスマホが出している電波に接続すればOK。あまり無いと思いますが、無線LANの内蔵されていないノートPCでもスマホとUSBで接続するUSBテザリングもできますので、スマホでネット接続は可能です。
タブレットでも基本的に同じです。タブレットの場合はWi-Fiでテザリングする方法の他にBluetoothでテザリングする方法もあります。
ただし通信量がスマホ単体時より増える傾向があるので、通信料定額プランでも使いすぎに注意しましょう。
振動対策
車と違ってバイクの場合に問題になるのが、「バイクの場合は振動が問題になるが、動作に支障は無いのか?」という事と、「充電方法はどうするのか?」の2点が大きな問題になってきます。まず振動に関してですが、振動が問題になるのはハードディスクです。管理人の場合はパソコンは市販の衝撃吸収バッグに入れ、リヤバッグもしくはトップケース内にクッション代わりにもなるもの(衣類とか)の上にバッグやケース内で動きまわらないようにして置く、と言う方法で運んでいました。
この状態で歩道の段差をドスンと降りたり、工事ダートをズダダダっと一気に走り抜けたりしましたが、特に問題なく使う事ができました。
しかし今はPCの記憶装置はハードディスクだけではなくSSD(ソリッドステートドライブ、要は大容量のメモリーですね)を使ったものもありますので、バイクで持ち運びが前提ならば振動に強いSSDを使ったノートPCのほうが良いでしょう。スペックにこだわらなければ、けっこう安く売っています。
キーボードも不要でとりあえずネット接続ができればいい、という方はタブレットのほうが良いかも。たとえキーボードが必要になってもBluetoothキーボードを購入すれば後から追加できます。
電源の確保
次にパソコンの充電方法ですが、早い話がバッテリーのDC(直流)12Vから家庭用の電源であるAC(交流)100Vに変換してしまえば充電は可能になるわけです。写真が無くて申し訳ないですが、管理人の場合は下記の方法でAC100Vを確保していました。- バッテリー直結で12Vを取り出す(取り出し用配線の作り方は下記参照)。
- シガーライター型ソケットにインバーター(DC12V→AC100V変換器)を接続。インバーター本体は防水のためにリヤバッグ内に収納。
- インバーターのコンセントにノートPCのACアダプタを接続。
DC12Vの取り出し方法
カー用品店等で売られている電源取り出し用シガーライターソケットを購入して、片方にバッテリー接続する丸型の端子(視力検査の記号のような形をしたもの)を圧着ペンチで圧着し、バッテリーの端子に接続(黒をマイナス)する事でDC12V取り出しが可能です。他にも電源取り出し用に配線付きのヒューズというものもありますので、ヒューズボックスから電源を取り出す事も可能です(マイナス側はボディアースになります)。キー操作と連動させたい場合はこちらのほうが便利でしょう。ただしこの方法の場合ヒューズの向きを考えて差し込まないと、本来流れる電流に取り出し先機器の電流も加わってヒューズが飛ぶ原因になったりします。向きを決定するためにテスターも必要になりますし、知識のある人かバイク屋さんにお願いしてやってもらったほうが良いでしょう。あとバイク屋さんに教えてもらったのですが、テールランプの配線に割り込ませるという方法もあります。この方法でも電源をキー連動にできます。
配線の長さはバイクに合わせる事になりますので車種によって違ってきます。また、配線の接続部は絶縁テープを巻いて雨や洗車でショートしないようにしておく必要があります。工具や機器類は全部カー用品店やホームセンターで揃います。電源用の線や端子類、圧着工具は数百円、インバーターは5000円あれば結構良いものが購入できます。圧着端子と圧着工具はセット品がお得です。
なお、インバーターは余裕を見て定格出力が100W以上のもののほうが良いでしょう。
ノートPCは持っていかないし、AC100Vでの充電モノはせいぜいデジカメくらいしか無い……という方は、シガーライタープラグ一体型の小型インバーターでも大丈夫でしょう。携帯電話やスマホならDV12Vはもちろん乾電池でも充電できるので、インバーターは不要です。
車種によってはDC12Vのソケットが標準装備もしくはオプションであったりします。スクーターの場合はトランク内やハンドル下の収納スペース内にありますが、スマホやタブレットの充電ならこちらを使うほうが良いでしょう。それ以外の車種の場合コネクターが外部にむき出しになっていることがほとんどなので、雨の日は使えないと思ったほうが良いでしょう。
パニアケースやトランクルームの無いバイクの場合は、荷物を降ろした後の事を考える必要が出てきます。ソケット内に雨や夜露が入らないように布テープ等で蓋をするとか、シート下に小物入れがあるなら配線をそこに入れておくとか。小型のタッパー(家庭用の密閉容器)を使うのも良いでしょう。
注意点
この方法で特に問題なく充電できますが、インバーターのスイッチを入れたままエンジンをセルで始動すると、インバーターの安全回路が働いてAC100V側への出力がストップしてしまう事があります。これはセルモーターに大きな電流が流れる為に、セルが回っている間はバッテリーの電圧が大きく落ちてしまう為に発生する現象です。その為に、面倒ですけどエンジンが始動してからインバーターがちゃんと動作しているかどうか確認し、AC100V出力が止まっていたらインバーターのスイッチを再度入れ直す、という事が必要になってしまいます。
また、このバッテリー直結方法ではエンジンを止めていても充電を続けてしまうので、バッテリー上がりを防止する為にもインバーターの電源スイッチは休憩・食事時はこまめに切るようにしましょう。上にも書きましたが電気関係の知識のある方なら、イグニッション連動にしておけばキーのON/OFFでコントロールできるので便利でしょう。
それから、インバーターのAC出力波形は家庭用電源と違います。
家庭用AC100Vは正弦波(滑らかな波の形)ですが、多くの(特に安い)インバーターは出力波形が矩形波と呼ばれるもので、四角い波形になります。その為に機器によっては使えない場合がありますので、インバーターの取扱説明書を熟読しておきましょう。
DC12VやAC100Vが確保できれば、前述のようにノートPCの他に携帯電話やスマホやデジカメ等も走りながら充電できますので、かなり重宝します。